北海道・根室支庁羅臼町の「羅臼遊漁船組合」は2004年6月から、船釣りで釣り人が1乗船で釣って持ち帰る魚の数量を、魚種に関係なく持参のクーラーボックス1個の満タン以内とする規制を打ち出した。

  この規制、クーラーボックスの大きさは自由というから、どうも真意が測れない。同時に釣り時間も12時間以内としたが、これって、規制をあえて行う意味が一体どこに?

  規制の趣旨は、羅臼沿岸の魚族資源の保護により、漁業者との競合関係を緩和しようとするもの。

  しかし、クーラーボックスの容量を問わないということは、1ランク上の容量のものを持参すれば何ら不都合はないので、釣り放題の現実は変わりようがなく、各種ボックスを所有している釣り人にとっては、痛くもかゆくもないこと。この規制で実効性が得られると組合側が本当に考えているとしたら、ちょっと認識にズレがありそう。

  釣る時間にしても、現実的には12時間以内での帰港というのが一般的だから、このたびの決定は、規制にして規制にあらず、であろう。

  行政側は「初めて聞くケース」とし、趣旨を達成する手段に疑問を呈する空気もないわけではない。

  組合では知床が世界遺産に登録される後を見越し、釣り人増加に先手を打ったつもりのようだが、ひとつ問題がある。それは、大きなボックスを持っている人ならまだしも、小さいものしか持っていない釣り人との釣獲量の格差、不公平を、どうクリアするのかということだ。

  これに対し「それじゃ、大きなボックスを買えばいいじゃないか」と、もし組合側が言うとするならば、それは、この規制の実効性のなさを自ら認めるようなものなのだ。ザル規制≠ヘ悪しき見本以外の何物でもないと思う。

  
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