移植放流は是か非か
  水産資源の保護・増殖や釣りの楽しみ提供として、河川や湖沼への魚の移植放流が全国的に実施されているが、果たしてこの移植放流は是か非か。この問題を考えようという「北海道・淡水魚保護フォーラム ちょっと待った! その移植放流―生物多様性への功罪」が2002年7月上旬、北海道・釧路支庁管内弟子屈町のホテルで開かれた。

淡水魚ネットワーク主催
  道内の魚類研究者らで組織している「北海道の淡水魚を守る 淡水魚ネットワーク」が主催して開催された。

あらゆる放流が問題?
  移植放流とは、昨今、問題となっているブラックバスなど外来種の魚だけでなく、在来魚を本来の生息地ではない河川や湖沼に放流する事も含まれる。全国的に自治体や観光団体、釣魚団体などが広く行っている放流も、「問題」としてまな板の上にさらされたことになる。

生態系への影響も
  あらゆる放流事業が、ここでいう移植放流の定義に該当する訳だから、これの功罪を問うというこのフォーラムの趣旨には、賛否の声があるところ。しかし、移植放流によるところの遺伝的かく乱など生態系への悪影響も、問題視されてきているのは事実。

2氏が基調講演
  第一部では「川の環境を次世代にどう受け渡すのか」などのテーマで、学識経験者2氏が基調講演。この中では@魚を増やすための放流には民主的合意を得る必要があるA人工孵化魚は適応・繁殖が苦手なので放流は問題―との指摘があった。

有料河川は放流実施
  しかし、これって本当に正論なのだろうか。道内に絞って考えてみても、ニジマスやヤマベを河川に放流して祭りイベントを盛り上げている例は、決して少なくないはず。また、区画漁業権を設定し遊漁料を徴収するが、放流もきちんと実施しているという河川・湖沼の例はいくつもある。

民主的合意とは?
  ブラックバスやブルーギルは密放流禁止の方向だから論外として、ヤマベやニジマス、ギンザケなどの放流はむしろ良心的、あるいは事業として当然、との見解を持つ方が多いはずだが、この放流に民主的合意を得よ≠ニは一体、どう理解すれば良いのか。「民主的合意って何なのか」との声も聞かれそうだ。

養殖魚放流はダメなのか
  また、人工孵化魚というと、養魚池で飼育されているものすべてが該当するだろう。淡水魚の魚族資源を豊かにする対策として、また、釣りのフィールドに魚を増やす目的での放流には、この養魚池での養殖魚を購入して実施される訳だが、これが問題だというのだろうか?

バランス感覚喪失?
  このフォーラムは基調講演の段階で、すでにその意義に誤解を招いた可能性がある。なぜなら、功罪のうち大きな功(メリット)≠フ部分に対する客観的な評価を過小に把握し、逆に罪(デメリット)≠フ部分をズームアップして論じるのは、おそらく冷徹なバランス感覚を伴っていないと思うからだ。

生態系回復に異論はないが…
  ただし、基調講演者が意図するだろうところの「自然繁殖を促進できるような、生態系の回復という根本的な命題達成に努力すべきだ」というたてまえ論≠ノ対しては、反論は難しいかもしれない。

釣り人に管理意識を
  基調講演の後、パネルディスカッション形式で討論が行われた。「釣り人が魚の管理を自らの問題と考えるべき」「移植放流の制限や釣果の調査・把握が必要」「釣魚匹数の規制を実施すべき」…などの提言があった。

C&Rでクリアー
  これらの提言は、キャッチ&リリースを実践している釣り人にとっては、ほとんどをクリアーしていることになろう。

釣り人との意識の乖離
  引っ掛かるのは「移植放流の制限」。研究者と釣り人との考え方の決して相容れない相違が、図らずも露呈したと言っても過言ではないだろう―。
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