カニ密漁船の横行は、漁業者にとって深刻な影を落としているが、この違法軍団≠ェ釣り人とも絡んで、とんでもない悪さを我が物顔で行っているというのだから、これには憤りを禁じ得ない。 北海道・十勝管内豊頃町の大津沖で2002年10月、違法に仕掛けられたカニかごに根掛かりした釣り船客の仕掛けが、同かごを上げにきた密漁船の乗組員によって無造作に切断される、という器物損壊事件が起きた。 被害を受けたのは、大津漁協所属の遊漁船に乗船していた4人の釣り人。問題の船は早朝、仕掛けた場所で次々にかごを引き揚げ、その後、別の場所に移動した。 移動先には釣り船がおり、釣り客9人のうち4人が、それと知らずに仕掛けを下ろしてかごに根掛かりしていた。密漁船は強引に5、6メートルほど接近すると、臆面も無くかごの引き揚げにかかった。 そして、かごに引っ掛かっている釣り仕掛けを次々に刃物で切断し、作業≠終えると走り去った。後には、唖然とする遊漁船の一行が残された。連中の素性を察しているだけに、だれも声を発することはできなかったという。 同年9月にも同様の事例が発生していた。 もし、連中が合法的な漁船による漁獲作業をしていたのなら、漁具に引っ掛かった釣り仕掛けを切られても、彼らの生活権の方が優先するので、釣り人は文句を言える立場にはない。 しかし、連中は組≠フ構成員を含む違法グループであり、漁業者の敵でもあるだけに、訴えを受理した広尾海保は捜査を開始している。 最近のカニ密漁者は、GPS(全地球測位システム)を使ってかごの仕掛けた場所を突き止めるため、海面には昔のように目印のボンデンは浮かんでいない。 そのため、遊漁船も海底にかごが沈んでいることなど知りようがないのだ。それで、根掛かりという事態もしばしば起きてしまう。一方、密漁の現場を発見しても、取り締まり当局が現行犯で押さえるのは、至難の業なのだという。 今後も、同様の事件は起こり得るだけに、遊漁船の船長たち、漁協、十勝支庁の間で、対策強化の機運が改めて盛り上がってきている。 |
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