外来3魚種放流禁止
  北海道がブラウントラウト、カワマス、カムルチー(雷魚)の、3種類の外来魚の移植放流を禁じる方向に向かっている。2003年1月に帯広、札幌、函館、旭川の4市で公聴会を開いて、漁業者、釣り団体などから意見を聴取したあと、2003年度当初から実施に移される見通しだという。

結論ありき?
  公聴会がまだ開かれてはいないのに、「すでに結論ありき」の行政主導の流れが形成されているのだから、これはちょっとたまらない気がする。公聴会が単に手順を踏むだけのものになっては、本来の意義が泣くというもの。

大勢は了承
  2002年11月下旬に、道内水面漁場管理委員会が札幌市で、上記3魚種の放流禁止に向けて、釣りや漁業者の関係団体から事前の意見聴取を行った。この中では、函館の「道南の川を考える会」が時期尚早≠唱えたものの、大勢は了承の姿勢を示したという。

気になるのは…
   「生態系への影響を危惧する」との趣旨には、どう見ても反論がしにくいから、了承のスタンスを取らざるを得ないのは分かる。しかし、了承によって一つ、やっかいな問題を引きずることになることを、意識しているだろうか。

外来魚すべてに!?
  この規制の趣旨は、ブラックバスやブルーギルのように「魚食性」旺盛な外来魚―というくくりではなく、外来魚のすべてに「生態系破壊、在来魚駆逐の可能性」という問題を投げかけている。

ニジマスもダメということ?
  とすれば現在、自然魚のフィッシング・フィールド形成のための、同じ外来魚・ニジマス放流事業も、根本からの見直しを迫られるという理屈になる。ニジマス放流による釣り大会も厳密には不適当と見なされ、区画漁業権を設定してニジマスを放流して有料で釣らせることも、建て前上は好ましくないという自縛の理論≠ノなる。

例外では虫がよすぎる?
  ニジマスだけは別? そう都合の良い話にはならない。「ニジマスも外来魚。生態系への影響を及ぼす例外とはならない」という主張に対しては、抗弁のしようがないのだ。

限定実施の可能性は?
  今回の、公聴会を開催後実施されようとしている放流規制問題は、人間生活や職漁者(漁業者)に深刻な不利益を与える状況に限っての、限定的な実施ができないものなのだろうか。

経済効果も
  本来、魚の少なかった河川で地道にニジマス放流を継続したお陰で、ニジマスの自然繁殖が進み魚影も濃くなり、釣り人で賑わうことで経済効果が発生し、河川活用も促進される―という、この構図は否定されるべきだろうか。

新たな生態系形成は悪=H
  魚の枯渇河川でニジマスの放流により、魚族が回復し新たな生態系が形成されることは、果たしていけないことなのだろうか。「開発か自然保護か」の論争にも似た、平行論議となってしまうのか。

譲れないニジマス
  規制に向けての外来魚には今のところ、ニジマスは含まれていないが、ニジマスもやり玉に上がるのは当然の帰結であろう。

外来魚は殺せ!?
  一方、アングラー側も、これからはキャッチ&リリースなどとは言ってられなくなる。ニジマスも含む外来魚はリリースしてはいけないのだ。外来魚駆除に協力するため、殺さなくてはならない。これって、なんか変だよ。

ニジマス釣らせて!
  公聴会の中で、ニジマスを例外的に将来とも規制から除外する理論付けが可能かどうか。率直に言って例えば、阿寒湖や阿寒川でニジマスを釣る楽しみを奪われたくないのだ。

相当な風圧に
  今回の同管理委員会の動きは、ニジマスに対する将来的な見解を誤ると、相当の風圧≠ノさらされることになるのは必定だろう。
   
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